風邪とインフルエンザの予防で一番大切な事

風邪・インフルエンザとは?

風邪の医学的定義は曖昧な部分もありますが、呼吸器感染症の総称
様々な症状を合わせた風邪症候群と言われています、アメリカでの定義は、急性ウイルス性限局性上気道感染症と言われています。
 風邪を引き起こす病原体は肺炎球菌など細菌性のもの、マイコプラズマによるもの、ウイルスによるもの等があります。風邪の90%以上はウイルス感染によるもので、現在分かっているだけでも300種類以上のウイルスが同定されています。その中でインフルエンザウイルスによる風邪は5〜15%を占めていると言われています。

   インフルエンザ以外のウイルスによる風邪は、普通の免疫力があれば一般に軽い症状で済みますが、インフルエンザの場合は、ウイルスの増殖が速く、健康な人でも高熱・せき・関節痛・等、症状が重くなることが多く、抵抗力が弱い病人や高齢者や小児等では死者も多く出ることがあります。

果たして手洗い・うがい・マスク・は有効か?

   結論から言わせていただくならば、手洗い・うがい・は、あまり効果が期待できないと思います。こういうと、何はともあれ、予防にはうがい、手洗いと言われている現在の状況においては、皆さんは驚かれるかもしれません。

   ご説明しましょう。ただ、マスクに関してはある程度の効果が期待出来るのではないかと思います。特に本格的な感染防止用の医療用のマスクは相当効果的とは考えられます。

   テレビなどでは、手洗いうがいを一番に指導している専門家先生も多いのですが、専門家の言うように、洗剤や消毒剤で一日に何度も手を洗ったならば、手の皮膚が相当丈夫な人以外は、手の皮膚が荒れて皮膚炎を起こしてしまいます。特にインフルエンザが流行するのは寒い冬の時期ですから、乾燥と寒さから手荒れを起こしてしまいます。

   問題は、手に付着したウイルスが本当に感染に関わっているのかと言うこと、また「うがいも咽頭部を洗い流すだけで本当に感染予防になっているのか?」と言うことです。

インフルエンザの感染が成立したとはどういうことか?

   それは、口にウイルスが入ったと言うことではありません。これは、細胞レベルの出来事で、気道粘膜の細胞の中にウイルスが侵入して、その細胞のシステムを使って自己増殖し飛び出てきたと言うことなのです。

   それでは、どのような時に感染が成立するのでしょうか。通常、空気中には風邪を引き起こすウイルスは常時存在していることが分かっています。ですから風邪を引いていなくとも鼻や咽喉の粘液を調べますと、ほとんどの場合ウイルスが検出される事がわかっています。しかし、一年中、人は風邪を引いている訳ではありません。


正常な気道粘膜では、どのような事が行われているか。

   粘液細胞が絶えず粘液を出し続けそれを、繊毛細胞が波打つように動き粘液を洗い流し続け、ほこりやウイルスが気道粘膜に付着しないようにしています。洗い流されたウイルスは飲み込まれ胃で塩酸やタンパク質分解酵素により壊されます。また、粘液の中にはウイルス吸着物質などもあり正常な気道粘膜の場合ウイルスは簡単には細胞に入ることはできません。ですから、ウイルス感染に於いて一番大切なことは、この気道粘膜の正常な状態をどうした
ら保てるかに掛かっているといえます。


気道粘膜の働きが悪くなる一番の原因

   それは、寒さと体の冷え、そして、乾燥、疲れ、栄養不足等です。体が冷えますと粘膜の血流が悪くなり、粘液細胞や繊毛細胞の働きが低下し付着したウイルスを洗い流すことが出来なくなり容易に感染できるようになります。皆さんもご自分の体験上感じていると思いますが、夏でも冬でも風邪を引くときは体を冷やした時であり、うがいや手洗いをしなかった時に風邪をひいたと言うのではなかったのではないでしょうか。


私がマスクを予防のために推奨している理由

   それは、この気道粘膜の正常化に大きな影響があると考えられるからです。ウイルスは非常に小さな病原体で細菌を全く通さない素焼きの壷で濾過しても通ってしまうほど小さいので、マスクをしたからと言って本格的なマスクでなければ、ほとんどウイルスの侵入を防ぐことはできません。しかし、マスクには、気道粘膜を温めたり湿度を保つ効果が高いと言うことです。


新型インフルエンザが世界的流行の考察

  インフルエンザを発症して多くの患者が訪れる小児科を何軒も報道されていましたが、当時ワクチンが不足していて医者をはじめ医療スタッフも予防注射を打つことが出来ずに、連日テレビで感染の拡大の様子が報道されましたが、冷静に観察してみると、ほとんどが感染者の近くにいた人が感染しており、飛行機内で感染した人の座席の位置等を見ても手指から感染したとは考え難く、空気感染したと見るのが自然ではないかと思います。

   また、インフルエンザを発症して多くの患者が訪れる小児科を何軒も報道されていましたが、当時ワクチンが不足していて医者をはじめ医療スタッフも予防注射を打つことが出来ずに、連日多くの患者に対応していました。ほとんどウイルスを除去できない紙の薄い使い捨てマスク一枚で治療にあたっていましたが、どの小児科でも医療スタッフにインフルエンザ
の感染者は殆ど出ていませんでした。

   インフルエンザの感染者がくしゃみや咳をすると1万〜10万のウイルスが空気中に飛び出ると言われていますので、当時小児科の病院内には数千万のウイルスが飛んでいてもおかしくはありませんので、医療スタッフは相当数のウイルスを口や鼻から常時、吸い込んでいたはずです。それにも関らず医療スタッフに感染者が少なかったのは手洗いうがいを四六時中やっていたからではなく、病院内の暖かい環境とマスクによって、気道に本来備わった粘液と繊毛運動による自浄作用が常時働ける状況にあったために、ウイルスが口や鼻から入ってきても常時洗い流され感染することが出来なかったと考えられます。

   そもそもインフルエンザの予防に手洗いうがいを医療関係者が言い始めたのは、正確な年代は思い出せませんが数十年前に、アメリカの研究者が男女十数人をひとつの部屋に閉じ込めて風邪のウイルスを噴霧して感染させる研究に始まっています。

   手洗いうがいをしたグループとしなかったグループで、比べたときにうがい手洗いをしたグループのほうがいくらか感染者が少なかったと言うものでした。医学の研究と言うものは、医学的に見て一番影響していそうな原因要素に対して調べなければ、あまり意味の無い結果が出てしまうことが多々あります。どんな条件でもグループに分けて比べれば必ず何らかの差が出るのが当たり前す。

   以前、民放の健康番組で癌の話をしていた医者が、ある関西の大学の研究で、女性で車の運転をしている人と、運転していない人を比べると、運転をしている女性のほうが、癌に罹る率が高いと言う話をしていました。これ等はまさに、意味の無い研究のひとつです、それならば、女性が運転をやめれば、癌予防になるのでしょうか。

   現在、医学的に発癌のプロセスは徐々に解明されつつあり、タバコを吸ったときに出る発癌物質や、食事に含まれる発癌物質、ウイルスによる発癌、放射線や活性酸素による発癌などについては、ある程度発癌プロセスも分かって来ています。

  運転する女性に癌が多い等も、運転をする女性には、活発に社会活動する人が多く、そのような女性は、喫煙率も高いとなれば、癌との関係も出てくるのかもしれません、そうだとすれば、調べなければならないのは、車の運転ではなく、医学的な因果関係が高い女性の喫煙率と発癌率の関係なのです。

   風邪の研究でも同様で医学的には、ウイルス感染は、口や鼻にウイルスが入った時ではなく、気道粘膜の自浄作用を乗り越えて、粘膜細胞の内部に入り込んだ時ですから、研究で一番調べなければならないのは、気道粘膜の自浄作用が強いグループと弱いグループで感染率がどの程度差があるのか、自浄作用が、どの様な条件の時、強くなったり、弱くなったりするのかということです。

   うがいを一生懸命やっても、せいぜい口の中の雑菌は減らせるでしょうが、気道のうがいは出来ません、手についたウイルスも、口や鼻に手からウイルスが移ったとしても、ほとんどが、すでに自浄作用のレールに乗っていますからそれ程心配はしなくて良いと思います。


インフルエンザの予防における大切な事

   普段から栄養・睡眠・運動を心がけ、冷えないからだ作りをし、ウイルスのいそうな人ごみに行くときは、寒くない服装でマスクを必ずすることが一番大切です。マスクは気道粘膜を温め湿度を保ちウイルス感染予防の決め手となる自浄作用を高めてくれます。

   また、吸い込むウイルス量を有る程度減らしてくれます。インフルエンザ予防には気道粘膜の自浄作用を、まず第一に考え、栄養のバランスを良くし、睡眠、運動、のバランスをとり、人ごみに行く時には必ずマスクをする事が一番大切です。この冬のインフルエンザ対策には、気道粘膜の活性化のため体調維持を第一とし、そして、そのためにもマスクを一番に、その上で二番三番に手洗い、うがいを、なされれば好いかと思います。
 


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